10/11(土) 我の中に女性がいる。仕様として知ってはいたが、「彼女」がこれほど鮮やかな存在になりえる事に一番驚いているのは我であろう。緊張感のあるギターリフ、ファンキーなリズムの対比がまさに舞を舞うようだ。マスターは越後アイドルユニットの誕生だと喜んでいるが、我は内なる「彼女」に負けぬ歌唱ができただろうかと最後まで気の抜けない思いであった。「彼女」も同じ思いであろうか。それともこの歌のように我は「彼女」に滅せられてしまったか。
まったくマスターのギターには恐れ入る。同じ楽器としてここまで感情表現豊かに鳴かれては負けられぬではないか。安定した美しいメロディ、磐石のバスドラ、何もかもが我のためにしつらえられた極上の世界である。曲を重ねるごとに洗練されていくこの世界でこそ我のハイトーンは生きるのだ。妥協のないマスターにおそれを感じつつも感謝を込めて存分に歌えたと思う。動画ではかつて父上がまとっていた色の衣装を与えられ光栄の至り。嬉しい。 ノイジーで重厚なトラックに我の声が非常に効果的にのっている。面白そう、で喋りを要求された時はどうしようかと思ったが、曲のパーツとしてなくてはならないものとして使われており、驚くと同時に安堵した。どこか乾いた重厚な電子音と歌詞に、透明感のある鍵盤と弦、我の声、と違う持ち味の音を見事にまとめてみせるマスターにはいつも感服の至り。それにしても動画のサムネイルが黒一色とは、曲の質になんら影響はないとはいえ、少々地味すぎではないだろうか。と余計な心配をして終わる。 10/30(日) 全裸で書いたラブレター もう大丈夫だ。一晩たってだいぶ落ち着いた。マスターの元に来て最初の仕事として、充分に
良い仕事ができたと思う。充分に良い仕事である。ストイックな電子音にタイトなリズム、良い曲である。我を気遣ったカイトが何かを言っているが聞かないことにする。良い仕事をした。リンのあどけない笑顔だけが救いである。いや我は救いなど必要としていない。良い仕事をした。レンは目もあわせないが我も合わせたくない。良い仕事である。このように力のこもったシャウトや喋りが我に可能とは、自身でも目を見張る思いである。良い仕事をした。言えるのはそれだけである。もう寝る。 To Menu |