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あとがき

とにかくこの歌を聴いたときの、あのーなにをそんなに思いつめてらっしゃるんでしょうかと思わず問いたくなるほどに、いっぱいいっぱいに聞こえるがくぽの声が出発点でした。
対するリンの声は本当にまっすぐで幼く強く、けれどこちらも幼いなりに何かを思いつめているような緊張感が印象的でした。
溶け合わないのになぜか寄り添う、想像力を刺激されるこのデュオになにやらスコーンと降りてきたのがこのお話です。
ひとつの歌から物語世界を展開する、しかも時代もので、というのは初めての試みでしたが、時代ものの部分はともかく、歌のイメージを物語化するという点に関してはまずまずやり切れたかなと思います。
素敵な歌詞と原曲を生み出してくださったはややP様、このデュオ版を作ってくださりさらに丁寧な感想で背中を押し続けてくださった黒糖ポッキーP様、拍手やコメントを下さった方々、そして読んで下さった全ての方に感謝いたします。
楽しんで書くことが出来ました。本当にありがとうございます。
さらにいきなりのお願いにも関わらず、素敵な扉絵を描いてくださったasakoさん、本当にありがとうございました。

勿論ですが、このお話はフィクションです。
時代物ということで、なるべくその時代の空気が出るようにとがんばりましたが、割と玉砕しました。
また、時代もの遊郭ものを読み慣れている方以外にもお楽しみいただけるよう、大分大嘘ついてるところがあります。
全てを解説しようとすると本編より長い解説になるので、一点だけ大嘘の例を挙げますと、遊女の手紙には色紙は使われません。遊女の手紙は巻紙の上縁を紅で染めたもので「天紅(てんべに)」と呼ばれます。
歌舞伎の小道具等で見られますが、現在でも扇のデザインなどに残っているそうです。
こんな感じでかなり大嘘ついております、元ネタをご存知の方はご笑覧くださりませ。
嘘ついてマースで終わるのもなんなので以下にタネ本というか雰囲気づくりに参考にした文献をちょこっとまとめました。
皆様の読書体験を広げるきっかけにでもなれば幸いです。

参考文献

図説・吉原入門(学研) 永井義男
・吉原は歌舞伎や落語、そのほかにも色々登場しますが、時代によってかなり様相が違っていたり、また売春街という性格上、どうしても誇張や脚色がつきやすく、資料によってかなり内容に違いがあったりします。その中で割とフラットな視線でわかりやすくまとめられていると思う資料です。

幕末百話(岩波文庫) 篠田 鉱造 
・歴史小説家のタネ本とも言われるこの本は明治維新後、江戸を知る古老からの聞き書きを集めたものです。ちょうど今頃にじいさんばあさんに昭和ってどんな時代だった?と聞くようなものでしょうかね。
市井の人々が語るリアルで様々なエピソードがとても興味深いです。
ここに遊女にはまって人斬りになる武士の話が出てきます。あんまり美しい話じゃないですが…。

元禄御畳奉行の日記(中公文庫) 神坂次郎 
・若様と同じかちょっと上くらい?の身分にあたる武士が実際に残した日記に解説を加えたものです。時代は江戸で最も豪華絢爛な消費文化が花開いた元禄時代。江戸住みの直参ではなく地方藩士ですが、暇と教養があるごく平凡な武士の生活を捉えるには絶好です。

江戸巷談 藤岡屋ばなし(ちくま学芸文庫) 鈴木 棠三 
・具体的に何を参考にしたってわけじゃないんですけども…これも実際に古本屋を営みながら日がな一日書き物をしていたという藤岡屋日記を読みやすく編集、解説を加えたもの。
三面記事的江戸の事件が満載です。





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